「１４０億の脳細胞」

StartFragment

　皆様の脳細胞はすばらしいものです。生きているうちに１４０億の脳細胞がどういう働きをしているのか。この一つひとつの働きが地獄の原因になるのです。

　人間は愚かなことをしているのです。ばかなことをしているのです。五十年、六十年この世に生きていて、何になったのでしょうか。社長や代議士、国会議員になったとしても大したことはないのです。結局は死んでしまうのです。

　人間は現世に生きていることが目的ではないのです。命を掴まえることが目的です。

　空というのは自分自身を空じることです。自分自身を空じてしまうと空がすぐに分かるのです。これが本当の学です。実行せずに理屈だけで分かるのは、学問とは言わないのです。実行したら現物がはっきり分かるのです。

　命とか空とか正直とか信仰は、すべて実行したら分かるのです。実行しない者は正直の本当の意味は分かりません。正直になってみなければ正直の本当の意味は分からないのです。

　美しいということが分かれば、皆様は永遠の命に対する目が開かれるのです。魂は死ぬのではないということが分かってくるのです。そうして、現在の学問と正反対の方向へ進んで行くことができるのです。

　今のままでいけば１億２５００万人の日本人は全部死んでしまいます。死んだだけではすまないのです。１４０億の脳細胞を持って死んでしまいますと、ただではすまないのです。

　皆様の魂はそれくらいに値打ちがあるのです。値打ちがあるから無駄使いをしていると、後が恐ろしいのです。

　ちょっと食べた、ちょっと見たことが小脳にどのような影響を与えるのか。これが皆記憶になって死後の世界へ繋がっていく。これを地獄というのです。いくら地獄が嫌だと言ってもあるからしょうがないのです。

　皆様の魂はそれを知っているのです。知っているから死が恐いのです。世間の学問をしてもとてもだめだということが分かっているのです。

　空ということを理屈で考えようとしないで、今まで持っていた自分の気持ちを空じるのです。空という言葉を名詞として用いないで、動詞として用いるのです。そうすると分かってくるのです。

　文明をどのように考えたらいいのか。文明の下へ抜けてしまうとばかになるのです。文明の上へ抜けてしまうと、文明の良さと悪さがよく分かるのです。

　文明には良さがあります。良さはありますが、悪さの方が多いのです。かつて日本のつくばみらい市で、科学万国博覧会が開催されました。これは一体何のプラスがあるのかということですが、今の政治家には分からないでしょう。今の学者にも分からないでしょう。

　皆様は今の学問の上に抜けてしまうことです。堂に入って堂を出るのです。人間は生活にかまけていると、生活に囚われて生活ばかになるのです。学校へ行っている人は学校ばかになっている。学問をしている人は学問ばかになっているのです。何かに囚われると、囚われるものによって束縛されてしまうのです。

　学者が考えているのは学閥思想であって、学問思想とは違うのです。学問思想と学閥思想とは違います。宗教家は宗教でしか考えることができない。これは学閥です。または教閥です。そういう閥族を造っているのです。自分が勉強しているものによって、自分がばかになるのです。

　皆様の中には商売をされた方もいるでしょう。あるいは、どこかの会社にお勤めになった方もいるでしょう。商売をしている人は商売ばかになっています。お勤めをして月給をもらっている人は、月給ばかになっているのです。

　この世に生きていると、生活することしか考えません。これを生活ばかというのです。現世の自分が生きている状態から離れて見るのです。そうすると、上へ突き抜けて見ることができるのです。そういう状態になって頂きたいのです。

　女の人は家庭へ入りこんでしまうと、家庭の主婦だと思い込んでしまうのです。これを家庭ばかと言うのです。親は子供が何をしているのか分からないのです。これを親ばかというのです。

　赤ちゃんは座る時に、見当をつけて座ることができないのです。後ろに椅子があるだろうと考えて座るのです。だから、ひっくり返ってしまうのです。大人は後のことを考えて座るので、後ろにひっくり返ることはないのです。これがコンピューター的な行動です。

　砂糖を入れて、しょう油を入れて何分か煮ると、おいしい味になると思う。これがコンピューターのやり方です。洗濯をするとか、裁縫をするとか、掃除をするという時に、頭の中のコンピューターを使っているのです。ところが、コンピューターの原理が全然分かっていない。

　商売人がお金儲けをする場合には、頭の中のコンピューターが猛烈に働いているのです。コンピューターのことを考えずに、自分の損得だけを考えて商売をしている。だから、お金儲けが魂儲けにならないのです。

　私がいうことを勉強して頂くと、お金儲けをしながら魂の悟りが開けるのです。ただ椅子に座るというだけで神が分かるのです。

　永遠の生命というのは何でもないことです。五蘊皆空を実行すればすぐに分かるのです。椅子に座っているということだけで神が分かるのです。命が分かるのです。皆様はそれくらいの能力を持っているのです。

　私は特別頭が良いのではありません。皆様の方がよほど頭が良いのです。私はただ素直になって御霊に聞いて、教えてもらったから分かったのです。

　皆様は生かされているということについて、慎重に、重要に考えてください。丁寧に生きてください。椅子に座るにしても丁寧に腰をかけるのです。そうすると、脳細胞がどのように働いているかが分かってくるのです。

　脳細胞が生きているのであって、人間が生きているのではありません。脳細胞が生きている状態を魂というのです。

　命という人間の御霊が「しい」しているのです。「しい」というのは脳細胞の動詞的表現をいうのです。たましい、美しい、おいしい、嬉しい、楽しい、すばらしいというのは、脳細胞の動詞的表現です。これは脳細胞が働いている状態を指しているのです。これが聖書に書かれているのです。

（内容は梶原和義先生の著書からの引用）

EndFragment