「創世」

創世

　どのようにしたらいいかと言いますと、生はこの世が造られたことに大関係があるのです。創世の創という字は、はじめられたこと、または初めて生まれたこと、初めて造られたことです。何か今まで全然なかったことが初めて現われたことを創と言うのです。

　創世ということが分かれば、人間の生命の本質はどうして始まったのか。味覚の本質、視覚や聴覚の本質がどうして始まったのかということが分かるのです。これが分かりますと、初めて生命の生が分かるのです。

　創世というのはこの世が始まったことです。この世が始まったことと命が始まったこととは重大な関係があるのです。これが日本人には全然分かっていないのです。

　創世と創生とがあるのです。世の中が始まったということと、いのちが始まったということの二つが分かりさえすれば、皆様は死なないいのちを見つけることができるのです。

　これは聖書を勉強しなければ分からないのです。聖書は宗教の書物ではありません。キリスト教というのは非常に悪い宗教です。宗教は皆悪いものです。人間の魂をちょろまかす仕事をしているのです。

　仏教も悪いですが、キリスト教はもっと悪いのです。聖書を歪めて説いているからです。聖書を欧米の宗教にしてしまっているのです。

　キリスト教の感覚で聖書を読みますと、全部間違ってしまうのです。キリスト教で考えているような神はどこにもありません。キリスト教が勝手に神を造っているのです。白人社会の文化概念に基づいてキリスト教を造ったのですが、これが聖書を全く間違えてしまったのです。

　キリスト教では創世が分からないのです。創生も分からないのです。従って、キリスト教を何年勉強していても命のことは全く分かりません。

　死んでから天国へ行くという思想が間違っているのです。また、仏教がいう死んでから極楽へ行くという思想も間違っているのです。

　皆様が生きている間に生命を勉強しますと、本当の生命が分かるのです。本当の生命が分かりますと、その人の魂は死ななくなるのです。

　人間の生命は死なないのが当たり前です。ところが人間は死なねばならないもののように思い込まされているのです。死なないのが当たり前です。

　生命が分からないままでこの世を去ってしまいますとどうなるのかと言いますと、黄泉(よみ)に行くことになるのです。この世にいる間は生命が活動しています。目が見えます。耳が聞こえます。お腹がすきます。仕事ができます。電車に乗ったり、車を運転したり、飛行機に乗ることもできます。

　この世を去ってしまいますと、生命は凍結してしまいます。皆様の家庭には冷蔵庫があるでしょう。その中に冷凍室があります。この中に命を入れますと凍結してしまうのです。この状態を死というのです。

　生きている間に生命の本質を掴まえることが絶対に必要です。そのためには宗教を信じてはいけないのです。

　宗教は人間が造った遊び事です。人間の命が分からないままの状態で、神とか仏とかばかなことを言っているのです。宗教で言っている神も仏も全部嘘です。こんなものは死んでから通用しません。

　生きている間は寺も宗教もありますから、宗教の理屈が通用するような気がするのですが、死んだら寺も教会もありませんから、寺や教会が言っている宗教観念が通用するはずがないのです。

　死んでからでも通用するような本当の命の捉え方を勉強する必要があるのです。こういうことは親鸞も弘法大師も、道元も日蓮も言わなかったことです。

　仏教ではない般若心経と、キリスト教ではない聖書を一つにして絞り上げると、本当の命が出てくるのです。これをして頂きたいのです。

　宗教では生きている人間にご利益があると言います。これを現象利益と言います。新興宗教はすべて現象利益が目的です。新興宗教はお金儲けが目的で造っているのです。現世において家庭内の不幸がなくなるとか、商売が繁盛するとか言われると、ついお金を出したくなるのです。

　人間は現在肉体的に生きていますけれど、何のために生きているか分からないのです。命が分からないから、生きているということがどういうことなのか分からないのです。分からないから、神仏と言われますと魅力を感じるのです。

　神仏という言葉にごまかされるのです。そこでお賽銭を上げようかという気になるのです。ここが宗教商売のつけめです。

　現世に生きている人間は、家庭円満、商売繁盛という看板を見ますと、ついひっかかるのです。効き目があるかどうか分からないが、効果があると思ってお賽銭をはりこむのです。

（内容は梶原和義先生の著書からの引用）