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モーセの間違い

天然現象すなわち、「おのずから」が命の原理ですが、この原理をつかまえることが必要です。現在の学校教育、政治、宗教は、人間の言い伝え、しきたりが土台となってできているのです。これが文明をひきずり回しているのです。ところが、これらが、皆間違っているのです。それで現在人間が生きている命は、死ぬに決まっている命になってしまっているのです。人間は、死ぬに決まっている命を、自分の命だと、ていねいに思いこんでいる。死ななければならないに決まっている命だと承知していながら、それを自分の大切な命だと思いこんでいる。これは、天然自然を知らない、愚かな人間の心理状態なのです。私はこれをユダヤ主義といっているのです。  なぜこういう世の中ができたのか。人間の常識の基礎は何であるのか。これは、今から四千年程前につくられたユダヤ人の考え方が原因になっているのです。かつて、「十戒」という映画がありました。チャールトン・ヘストンがモーセの役をしましたが、この映画は世界中で大ヒットしました。この映画の中に、現代文明の秘密があるのです。モーセがとんでもない失敗をしたのです。「おのずから」を見そこなったのです。旧約聖書出エジプト記の第三章をごらんいただくと分かるのですが、神がモーセに、「燃える柴」の奇跡を見せたのです。  燃えている柴が、一向になくならない。これは不思議なものだといって、モーセが見たのです。その炎の中から神がモーセに呼びかけて、ここは聖なる所だから靴を脱ぐようにと言ったのです。  例えば、バラの花が咲いているのは、燃えていることなのです。目に見えるような燃え方ではありませんが、咲いているのは緩慢な状態で燃えているのです。  人間の心も燃えているのです。神はモーセに、特別に燃えている柴があるように見せました。その時だけ燃えているのではなく、どこにでもある雑草も、木も、皆燃えているのです。生きているということは、燃えていることなのです。植物の生態を特別にアピールしますと、燃えるということになるのです。神はモーセの目をひくために、そういう状態をつくつたのです。  神が燃える柴からモーセに声をかけて、イスラエルの民をエジプトから引き出すために、  モーセに指導者になれと命令したのです。ユダヤ人の指導者は、全世界の歴史から見て、非常に重い役なのです。ユダヤ人を指導するということは、全世界を指導するのと同じ意味を持っているのです。ユダヤ人の指導者に任命されたモーセが、間違えたのです。  モーセがユダヤ民族を指導する時に、とんでもない間違いをしてしまった。これが、人間文明全体が狂ってしまった原因なのです。  これを今のユダヤ人が聞いたら、猛烈に怒るでしょう。顔を真っ赤にして激怒するでしょう。怒っても仕方がない。事実だからです。出エジプト記を読んでいても、こういうことが分かる人が世界にいないから困ったものです。  モーセが燃える柴の奇跡を見そこなったのです。  実は、物質が存在することは、燃える柴と同じことなのです。人間の肉体も燃えているのです。喉がかわく、おなかがすく。これも燃えているのです。  人間の生理現象は、天然現象をそのまま現わしているのであり、これを聖書では霊といっています。霊とは、人間が生きていることの実質、実体をいうのです。  天然現象が「おのずから」であって、人間の肉体が動いていることを、客観的、冷静に、綿密に見ていけば、死なない命が分かるにきまっているのです。  宗教は絶対にだめです。宗教は嘘ばかり教えているのです。宗教教義は人間が造った観念であって、人間の観念を人間が拝んでいるのです。ところが天然自然というのは、信じるも信じないもないのです。分かるか分からないかのことだけなのです。  人間が生きているのは、燃えているのです。太陽と地球がどういう関係にあるかを、じつと見て頂いたら分かります。そのひびきは全地にあまねく、その言葉は地の果にまでいたるとありますように、「おのずから」というやり方、つまり法則が、全地にひびきわたっているのです。  日本人は世界的な見方ができないのです。日本は、国ができてから、千四、五百年しかたっていません。世界の歴史から見ると、新しいのです。日本は歴史の底が浅いのです。だから世界の事情がよく分からないのです。しかも島国ですので、白人文明の根底のこと、ユダヤ人のことをほとんど知らないのです。現在、白人が世界を指導しています。数から言えば白人はアジア人のたったの十分の一です。なぜ白人が世界を指導しているのかということさえも、日本人は分からないのです。ただ白人の後をついて回っているだけなのです。  日本人は白人のやり方を鵜呑みにしています。白人についていくしか方法がないと思っているのです。これが間違っているのです。  日本には「般若心経」があります。般若心経がありながら、正しく読まれていなかったのです。般若心経は日本ができた時からありました。千年以上も前から般若心経があるのに、正しく読まれたことがなかったのです。  般若心経は仏教を否定しています。ところが、仏教のお経になっています。これを考えても、般若心経がまともに読まれていなかったことが分かるのです。  般若心経をまともに読みますと、天然自然が分かってきます。そのかわりに仏教は消えてしまいます。色即是空、空即是色が本当の霊なのですが、読んでいながら全然分かつていないのです。  日本人は愚かなことにお金を使って、愚かなことをしているのです。だから、いろんな本を書いて警告しているのです。  宗教で言う神や仏は、全く嘘です。嘘ではないのは「おのずから」の天然だけです。太陽が地球を暖めていることが、「おのずから」の働きです。太陽が宇宙の命をそのまま反映しているのです。  太陽は分かりやすく言いますと、永遠の男性のシンボルです。地球は永遠の女性の姿を示しているのです。太陽という天然現象が、地球という天然現象を孕ませている。これが霊、愛というものの本当の姿です。  花は、太陽と地球の恋愛関係を表わしているのに、モーセはこれが分からなかったのです。モーセは太陽と地球の関係である霊を見ずに、肉体を持った人間がいると考えたのです。自分という人間がいて、掟を執り行うことができると考えたのです。これが、間違った考え方を待った人間が地球上に棲息しはじめた原因です。  モーセはユダヤ民族の大指導者でしたが、彼が間違えたので、世界中の人間が皆間違えてしまったのです。  ユダヤ民族は全世界の指導民族です。中心民族です。その彼らが間違えると、世界全体が間違ってしまうのです。何千何万羽の渡り鳥の集団は、個々の鳥が各々勝手に方向を決めるのではなくて、指導グループの鳥が決めるのです。集団の中に、リーダーシップをとる鳥が必ずいるのです。他の鳥はリーダーについていくのです。  これがユダヤ民族と他の民族の関係であって、歴史の流れがそうなっているのです。これが「おのずから」なのです。  現在の人間文明の根本的なまちがいを、土台から解明していこうと思えば、どうしてもユダヤ民族のまちがいにふれていかなければならないのです。  現在の日本人は、ユダヤ人の言いなりになっています。アメリカもそうです。ヨーロッパもそうです。ユダヤ人の後をついていくしかないと思っているのです。そうではなく、皆様ご自身の立場から、天然自然をよく見て頂きたいのです。これが人間の霊というものです。宗教でいう霊とは関係がないのです。このために一番薬になるのが、般若心経です。  般若心経は、現在では日本にしかありません。ミャンマーやタイにはありません。インドにもないのです。般若心経が広く用いられているのは、日本だけです。死ぬべき命から抜けだすためには、どうしても般若ハラミタが中心にならなければならないのです。  人間が苦しんだり悲しんだりしなければならないのはなぜかといいますと、天然自然が分からないからです。  人格は、天然自然を理解する力を持っていますが、人間の生活概念が天然自然を理解していないのです。そこで苦しむのです。自分のまちがいを直せば、生きる方向が分かるのです。永遠の男性である太陽が、永遠の女性である地球を愛しています。この事実をじっと見ますと、皆様が天然自然に愛されていることが分かるのです。これが分かると死なない命を見つけることができるのです。  そのためには、どうしても般若波羅密多で五蘊皆空を納得しなければならないのです。五蘊皆空が分からない状態で考えていますと、どうしても人生の真実を見ることができないのです。  冷静に、平明に人生を見ることができさえすれば、太陽が地球を愛している愛が分かるのです。「おのずから」さえ分かれば、人間は死ななくなるのです。理性と良心を持っていて、天然自然を弁える力を持っていながら、常識にしばられて生きている。だからその霊魂は天然自然の生き方をしていない。常識的な死ぬ生き方を強制されているのです。霊魂は束縛されている。拘束されているのです。  人権と言いながら、霊魂が束縛されているのです。皆様の人格の本体と、日本社会の常識のあり方が、全然違っているのです。だから、苦しんだり、悲しんだりしなければならないのです。  皆様が持って生れた理性、良心、五官のあり方をよく考えて下さい。そのとおりに生きれば、死ぬことはないのです。誤ったユダヤ主義から離れてしまえばいいのです。死なない命、永遠の生命の実物を、ぜひつかまえて頂きたいと思います。

(内容は梶原和義先生の著書からの引用)


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