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無明から生まれた人間

 私たちは、確かに目が見え、耳が聞こえます。街路樹が見える。水が飲める。そのように、肉体的な生命現象としては、生きています。

 ところが、物の考え方が死んでいる。宇宙の命をはっきり掴まえていないことが、死んでいるということです。

 宗教には、教理又は教義がありまして、それを説明するのが宗教です。本当の命を宗教では扱っていません。生とか死とかいう問題を扱うのが本当の宗教ですけれど、現在の日本にはそういう宗教はありません。教義ばかりを扱っているのです。信者をつくることに一生懸命になっているのです。ですから、耳の痛いことをずけずけと言いません。本当のことを言わなければ、本当の悟りは得られないのです。

 私たちが生きているのは、冗談に生きているのではありません。本当に生きているのです。

 生きている以上、命を知らなければならないのです。

 ところが、現在宗教を信じている人で、キリスト教でも仏教でも言えることですが、命とは何かを、本当に知っている人は、一人もいません。宗教の教義ばかりを教えられているのです。

 これはなぜかと言いますと、例えば仏教で説明しますと、人間は無明から出てきたものだと言うのです。大乗起信論では、無明からわいて出たのが人間だと言っているのです。これは、十二因縁の基本的な思想なのです。

 般若心経では、無無明亦無無明尽と言っています。無明もなく、また無明の尽きることもないと言っているのです。無明は十二因縁の最初に出てくる言葉です。老死が最後に出てくる言葉です。妄念が妄念を受けついで、無限の無明におちこんでいると大乗起信論にありますが、人間は無明から生まれてきたのです。

 ずばりと言いますと、人間がこの世に生まれてきたのは、両親の性欲によるのです。これがいわゆる煩悩です。親の煩悩によって子供は生まれてきたのです。

 聖書には、ダビデが、私の母は罪の中で私を生んだと言っているのです。そのように、人間は無明煩悩から生まれて、無明煩悩で育ってきたのです。

 皆様のご両親、ご兄弟、親戚、世間一般の人々、家庭も、職場でも、現在の人間はすべて無明の中で生きているのです。無明の中で生きていますから、命が分からないのです。この状態が死んでいる状態なのです。

 実は、皆様は死なないようにすることを考えないで、命とは何かを勉強すべきです。死んでから天国へ行く、極楽へ行くことを考えないで、現在、目の黒いうちに、命とは何かを勉強する必要があります。

 現在の人間は、生活のことばかりを考えていますが、その状態は無明煩悩の状態なのです。無明煩悩の状態が、すでに死んでいる状態なのです。だから現在のままで放っておけば、死ぬに決まっているのです。

 死ぬとか生きるとかいうことを端的に言いますと、あまり感じが良くないと思われるかもしれませんが、これは本当のことなのです。

 現在の人間の生き方、文明それ自体が、でたらめなのです。全くでたらめです。

 学問は、人間の生命に対する保証は一切してくれません。死ぬなら勝手に死ねという状態です。学者は人生を知らないからです。政治家ももちろん人生を知りません。そういう人々が、指導者として国を率いているのですから、国民全体が無宗教の状態になっているのです。無自覚の状態でありまして、命を全く知ろうとしていないのです。命を知ろうとしない状態が、すでに死んでいることです。

 そこで、皆様は死を破るとはどういうことか、無明を破って本当の光を望むにはどうすればいいか、命とは何であるかを勉強なさることが大変重要であると思います。

 皆様は日曜日というあり方で、イエスの復活を一週間に一度ずつ記念して休んでみえるのですから、このことをよくお考えになって、人間の歴史の底を流れている秘密をよく見て頂きたいのです。

 聖書には肉の思いは死であるという言葉があります。肉体人間の考えることは、すべて死であるという意味なのです。肉体人間の考えることは、魂の考えることとは違うのです。

 肉体人間の考えること、即ち、常識、知識というものは、すべて死である。本質的に死んでいるという意味なのです。

 肉の思いは死であることが分かり、命を勉強しなければならないことをお考えになるようになれば、いいのです。

 日本では、聖書が正しく説かれていません。イエスの復活をはっきり教えている人は、日本にはいません。私はわずかではありますが、イエスの復活の命を経験しましたので、キリスト教が間違っていると言っているのです。

 そういう意味でありまして、命は皆様方の近い所にあるのです。イエスが復活したことと、皆様が現に大自然の中で生きておいでになるということは、非常に密接な関係があるのです。

 せっかく命があるのですから、この命を活用して、命の本質を弁えるやり方をされれば、必ず本当の命が分かって頂けると思います。

 死んでいる人間には、死の本当の意味が分かりません。命を知らない人間には、命の本当の意味が分からないのです。

 今の人間は、全く酔生夢死です。酔っぱらって、夢の中で生き、死んでいくのです。どうか、本当の人生とは何かということを、勉強して頂きたいのです。

(内容は梶原和義先生の著書からの引用)

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