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皆様は現在死にたくないという気持ちで生きておいでになるのです。死にたくないという気持ちで生きていることを仏教では本願と言います。死にたくない、死ぬのは嫌だという気持ちが本願です。仏教用語を使わずに言いますと、本心とか本望ということになるのです。
とにかく人間は死にたくないのです。ところが一方死ななければならないと考えているのです。人間が死なねばならないと考えていることが、無明です。本願と無明とがあるのです。
人間は死にたくないとはっきり思っていながら、死ななければならないとまた、思っているのです。二重人格のような心理状態になっているのです。
人間には死にたくないという本願がはっきりしているのです。死ぬことくらいは恐くないという人がいますけれど、やはり死にたくないと思っているのです。恐くないというのはやせ我慢で勝手に言っているのですが、本心では死にたくないと思っていることをはっきり認めることが正直な人生だと思うのです。
一方、人間は死なねばならないと思い込んでいるのです。もし死にたくないという気持ちがないのなら、死なねばならないと思うことはしかたがないのですが、死にたくないと思っていながら死なねばならないと考えている。これはどういうことでしょうか。
どちらか一方にしたら皆様は安心できるのです。死ぬのはしかたがないとはっきり思ってしまったら、それなりに業(ごう)の深まりになるでしょうけれども、霊魂の救いは絶対にありません。死ぬのはしかたがないとはっきり思ったら、それなりに心配はなくなるのです。結局業の塊になるだけです。
ところが死にたくないと思いながら死なねばならないと思って生きている。これがおかしいのです。二重人格のようなことになっているのです。
死にたくないというのが本願であって、人間の本願をはっきり確認する状態のことを魂というのです。霊魂というのです。
仏教には霊魂という言葉がありません。大乗仏教には霊魂という言葉がないのです。だからお坊さんは霊魂という言葉の説明ができないのです。魂とはどういうものかを説明できるお坊さんが日本には一人もいないのです。
魂を知らないお坊さんが魂の指導をしているのです。これが日本の仏教の間違いです。一万七千六百巻と言われる膨大な仏教経典の中に魂という字が一字もないのです。十二因縁とか四諦八正道とか言います。魂に似たようなことは言いますけれど、魂とはこれだという確認が日本の仏教にはないのです。文字がないのですから、魂についての思想がないのは当たり前です。
釈尊の悟りは魂の悟りを意味しているのです。般若心経に、観自在菩薩、行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄とあります。この照見五蘊皆空ということが、魂の悟りのことになるのです。魂という文字は使っていませんが、魂の悟りになるのです。
観自在菩薩
観自在菩薩という言葉が魂の意味になるのです。自在というのは本来在るべき姿ということです。これを見ること、直感することが観自在菩薩であって、菩薩というのは修行する人という意味です。
皆様は般若心経と聖書の勉強をしたいということで、こういう勉強会に集まっていらっしゃいます。皆様の魂の状態が菩薩になりかかっているのです。なっているとは言えませんが、なりかかっていると言えるのです。
皆様がこういう勉強会に出席しています。この気持ちを進めていったら観自在菩薩になれるのです。これはそれほど難しいものではないのです。今のお気持ちを冷静に、平面に、明確にご覧になれば菩薩になれるのです。
菩薩とは道を求める人のことです。またある程度悟った人のことです。
日本には仏教はありますが、仏法はありません。仏法は悟りのことです。これが日本にはないのです。全くないのです。
日本の仏教はそれぞれの教祖の信心が宗派を造っているのです。例えば、日蓮の信心が日蓮宗になっている。これは釈尊の悟りに関係がないのです。
親鸞の信心が浄土真宗を造っている。法然の信心が浄土宗を造っているのです。空海の信仰が真言宗を造っているのです。これはすべて釈尊の悟りとは違います。
般若心経は釈尊の悟りをだいたい伝えているのです。だから観自在菩薩という言葉が初めから出ているのです。般若心経以外のお経は、どんな経文でも必ず如是我聞と書いているのです。如是我聞と書いていないお経はありません。
如是我聞というのは、私はこのように聞いたという意味です。我かくの如く聞いたというのです。かくの如く聞いたということがそれぞれの信心になるのです。自分がお釈迦さんをこのように信じていると書いているのです。これが宗教です。
如是我聞は全部宗教です。般若心経は初めから観自在という菩薩が現われているのです。観自在菩薩行深般若波羅密多時とありますが、本来あるべき姿を観じた者が、このことをいうとなっているのです。
本来あるべき姿というのは、命をまともに生きている私という意味です。ところが命をまともに生きるとはどういうことかと言うことを、釈尊は述べていないのです。
釈尊の死後、約五百年後にイエスが誕生しているのです。釈尊は死ぬ前に、アナンソンジアという弟子に、「私がこの世を去ってしまうと、釈尊が言っていたことは間違いだという者が出てくるだろう。そういう思想が現われてくる」と言ったのです。
アナンソンジアは、「その人は外道でしょう」というと、「それが誠の仏だ」と釈尊が言ったのです。ここで分からなくなるのです。
日本の仏教ではこういうことを説明しません。こんなことを言ったら商売にならないからです。
宗教はどんなものでもすべて営業です。人を集め、お金を集めるのが目的です。私たちは宗教ではないから、そういうことをしないのです。それでは何をしているかと言われるでしょう。霊魂のボランティアをしているのです。
霊魂のボランティアができる人が今の世界にいないのです。確信を持って、宗教が間違っていると堂々と言える人がいないのです。
現在の人間は無明煩悩によって生まれている。ただ欲望を満足させるために生活しているのです。
この世に人間が生きているのは生活するためだけではなくて、命を見つけるために生きているのです。死なない命を見つけるために生きているのです。これがこの世に生まれてきたたった一つの目的です。
これさえできれば皆様の業(ごう)が果てるのです。命を見つけることは宗教ではできません。だから宗教は営業にならざるを得ないのです。
命はこれだとはっきり言えるお坊さんはいません。仏を信じたら有り難い。こればかりを言っているのです。宗教は寺や教会がある社会では通用しますけれど、皆様はやがてこの世を去ることになるのです。この世を去るのは、死ぬためにこの世を去るのと、生きるためにこの世を去る人と両方あるのです。
生きているのは命を見つけることが目的です。生きているうちに命を見つけなければ、命は永遠に見つからないのです。
命を見つけるためにどうしたらいいのか。瞬間、瞬間、時間が流れています。時間が流れていることは、地球が自転公転していることです。時間があるから地球は自転公転しているのです。時間がなければ地球は自転公転しないのです。
地球が自転公転していることと時間が流れていることは一つのことなのです。時間と空間は一つのものです。
時間が流れているとはどういうことなのか。すべてのものは流れているのです。流れているということがあるだけのことです。時間や空間があるのではない。万事万物が流れているだけのことです。皆様の体内に血液が流れているように、宇宙全体が流れているのです。
流れていることを命というのです。流れているものの本体を掴まえたら死なないのです。万事万物が流れている。誰が一体流しているのか。天の主が流しているのです。神と言ってもいいでしょう。
絶対者があるのです。絶対者が流れを司っているのです。この流れの中へ入って行ったらいいのです。これをしますと、皆様がこの世に生まれたという業が果てるのです。
命の流れの中へ自分の霊魂が入って行けるのです。命の流れと皆様の霊魂が一つになって流れているのです。これを永遠の命と言うのです。
真面目に考えたらいいのです。条件はこれだけです。そうしたら命の流れの中へ入って行けるのです。
生と命
いのちには生(せい)と命(めい)と二つあります。これは全然違うものです。文字が違うように事がらが違うのです。命というのは現世に生きている人間のあり方をいうのです。生というものは本当のいのちの実体、実物をいうのです。
生が命という格好になって現われているのです。これを今皆様は経験していらっしゃるのです。命といういのちに生きている間に生を掴まえるのです。皆様が生を掴まえることに成功なさいますと、命が生に変わってしまうのです。そうしたら死ななくなるのです。
生というのは大木が地にはえている状態です。宇宙の命が生です。これを皆様は経験していらっしゃるのです。これが魂です。
生のことを聖書では言(ことば)と言っています。本来あるべき命です。皆様の生理的な働き、心理的な働きが霊です。皆様は心理機能と生理機能によって生きているのです。心理機能も生理機能も言の働きです。これをギリシャ語ではロゴスというのです。
言が肉体となった。これが人間だと聖書は書いているのです（ヨハネによる福音書１・14）。これが霊魂です。言が肉となっている状態が魂です。
イエスの本体の姿が魂です。言が肉となったものがイエスです。言が肉となったものが霊魂です。
皆様には人間である面と魂の面と二通りあるのです。世間で生活している皆様は人間です。固有名詞があって、市役所の戸籍データーに載っている人間です。
魂には名前がないのです。魂は世界に一つしかないのです。イエスが経験していた魂と、皆様が今経験している魂は同じものです。
イエスがどのように生きていたのか。これさえ分かれば、死なない命を掴まえることは何でもないのです。やる気があればできるのです。
般若心経を日本の仏教の経典にしてしまっているのです。奈良のあるお寺では、般若心経を写経させて大儲けしているのです。
般若心経は金儲けのための経典ではありません。人間の考えが間違っていること、五蘊皆空を教えることが般若心経の目的です。
人間の考えが皆間違っているのです。宗教も学問もすべて五蘊です。人間の知識も、思想も、行いもすべて五蘊です。ですから般若心経を本当に信じることになりますと、日本中のお坊さんはやめなければならないことになるのです。
般若心経の字句の説明をする人は多いのですが、本当に般若心経を信じるということはできないのです。五蘊皆空を本当に信じるとしたら、仏教という商売ができなくなるのです。だから本当に般若心経を実行しているお坊さんはいないのです。
五蘊というのは何かと言いますと、般若心経に色受想行識とありますが、色蘊が基礎になっているのです。色というのは色気のことではなくて、物質現象を指しているのです。人間は目で見たとおりの物質現象があるのだと思い込んでいるのです。これが人間の迷いの第一です。
目で見たとおりの肉体があると思っているのです。そのために受想行識が全部間違っていると言っているのです。現象世界があるのだと思い込んでいるのです。マルクスは物があるから歴史があると考えたのです。この考え方が人間の通念になっているのです。これが根本から間違っているのです。
先に言いましたように、時間と空間は流れているのです。皆様の体の中に血液が流れているように、地球も流れているのです。電気が流れているし、空気も流れているのです。物質全体も流れているのです。
物があるのではない。流れているだけのことです。物があるように見えるだけのことです。流れが物に見えるだけのことです。
皆様の肉体も生理機能が働いているのです。機能の働きは流れです。生理機能が肉体という形になっているだけです。
形はありますが、形は実体ではないのです。形は仮の姿です。仮の姿を実体と思い込んでいることが五蘊です。
五蘊皆空ということが般若心経の基本思想です。だから宗教という考え方が大変間違っているのです。
人間は死にたくないと思いながら、死なねばならないという条件で生きている。だから今の皆様の命は本当の命ではないのです。死なねばならないに決まっている命は、実質的に言えば、既に死んでいる命です。だから危ないのです。今の皆様はこのままでは必ず死んでしまうのです。
人間の命は死ぬべき命ですが、仮に命を経験することを許されているのです。皆様の状態は心臓が動いているし、目が見えるのです。目が見える状態の間に流れを掴まえるのです。命の流れを掴まえるのです。
これをするためには、今までの常識を捨ててしまわなかったらだめです。今までの常識を捨ててしまって、命の流れの中にに入ってしまうのです。これが般若波羅蜜多ということです。
色と空
般若心経は色即是空と言っていますが、その後に空即是色と言っています。これが難しい所です。色は空だということはよくよく考えたらだいたい分かるのです。ところが空が色になるということが分からないのです。
色が本当に空であるなら、なぜ空であるものが色になって現われているかということです。何のために人間は生まれてきたのか。何のために地球ができたのかということです。これが説明できる宗教家は日本に一人もいないのです。
亡くなられました東大教授の中村元氏は言っていました。「色が空であることは分かるが、空が色になっているとはどういうことか分からない」と言っていました。中村元氏は日本一のインド哲学者でしたが分からなかったのです。一切は空である。空ではないものがあるに違いないと思う。しかしそれが何か分からなかったのです。
京都の曹洞宗の有名なお寺のお坊さんが、空というのは空っぽだと言っているのです。一切空は空っぽだというのです。色即是空とは目に見える物質は皆空っぽだというのです。もし全部空っぽなら、どうして森羅万象として現われているのか。この説明ができないのです。
空がなぜ色になったのか。空というべきものがどうして色になったのか。この説明が世界中の学者にできないのです。これが分からなければ色即是空といくら言っても空念仏になるのです。
地球は空からできたのです。地球がなぜできたのか。地球ができなければ皆様がこの世に生まれてくるはずがないのです。地球ができた原理が分からなければ、皆様が今生きておいでになるということの原点の説明はできないのです。
これが日本の仏教では全く分からないのです。釈尊にもこの説明ができないのです。しかし釈尊は明けの明星を見たのです。明けの明星を見たことによって、新しい人間、新しい地球、新しい世界ができることを悟ったのです。
一見明星が釈尊の本当の悟りです。ところが一見明星の説明が仏教ではできないのです。私はある偉い高僧に、日本で一見明星、明けの明星の説明ができる人がいますかと聞いたら、そんな人はいないという返事でした。これが日本の仏教の正体です。
日本には仏教はありますが、仏法はないのです。だから日本の仏教をいくら勉強しても、釈尊の悟りは一切分からないのです。
どうして空が色になったのかということを、仏教では考えてはいけないことになっているのです。ただ因縁だというのです。因縁とは何かと質問すると、もう説明出来ないのです。
因縁の説明は仏教では不可能です。因縁は仏教教学の重要な概念ですが、この説明ができないのです。因縁はどうしてできたのか。だれが造ったのか。なぜ因縁があるのかについて、仏教では一切説明致しません。説明できないのです。
空が色になる因縁はどういう因縁なのか。この説明ができないのです。そこで、どうしても宗教ではない聖書を見るしかないのです。聖書には天地創造のことをはっきり書いているのです。
ところが天地創造についてキリスト教では説明ができないのです。創世記に書いていますが、ほとんど読んでいないのです。神がなぜ天地を造ったのかということが聖書に書いてありますけれど、このことを真剣に考えようとしていないのです。考えても商売にはならないから考えないのです。商売になることは考えるのです。
死んでから天国へ行くという話しは商売になるのです。商売になるからこういう話しをするのです。
地球は何のために造られたのか。地球は神の都合でできたのです。神の都合というのは、神自身が神となるためです。これが神の都合です。これが因縁の絶対原則です。
今の世界では、神が神になっていないのです。「神かもうな仏ほっとけ」という言葉があるように、神なんかほっとけというのです。日本人は神を全然知らないのです。
聖書には、「神はすべての上にあり、すべてのものを貫き、すべてのものの内にいます」と書いています（エペソ人への手紙４・６）。
すべてのものの上とは、目に見えない場所、霊なる所、天なる所をいうのです。神はすべてのものの上にある。皆様の肉体を貫いて、皆様の肉体の中に神がいるのです。
皆様の心臓が動いていることが神です。目が見えることが神です。
皆様は人間という格好をしていますが、実質はほとんど神です。これを神の子というのです。イエスはこれを見つけたのです。そうしてイエスは神の子として生活したのです。だから死を破ったのです。これは当たり前のことです。皆様もこれをしたら死が破れるのです。
イエスの復活は歴史的事実です。歴史的な事実であって、宗教ではないのです。日曜日はイエス・キリストが復活した記念日でありまして、世界中の人間が日曜日に休んでいるのです。休んでいない人も、日曜日ということを認識しているのです。
今年は二○一四年です。これは地球上に死なない命を持った人が誕生して、世界が全く新しくなったことを示しているのです。人類は死ぬ必要がなくなった。それから二○一四年も経過しているのです。これがキリスト紀元です。
ところがキリスト教では、イエスが死を破ったことがはっきり説明ができないのです。聖書をまともに読んでいないから分からないのです。
キリストが復活した時に、新しい体を持っていた。だから焼き魚を食べたのです。体がなければ焼き魚が食べられるはずがないのです。幽霊と違っていたので魚が食べられたのです。そうするとイエスが復活したというのはどういう肉体なのか。これは将来皆様が持つことができる最高の肉体です。死なない肉体です。
イエスは復活して死なない肉体を持ったのです。だからイエスが復活したことを学の対象にすることになりますと、人が死なないことがはっきりするのです。
今の文明は間違っているのです。イエスの復活を学の対象にしないで、宗教の対象にしているのです。こういう間違いをしているのです。
文明はいんちきです。なぜかというとユダヤ人が文明を指導しているからです。ユダヤ人はイエスが復活したことを信じると、ユダヤ主義が崩壊してしまうのです。だからイエスの復活を絶対信じたくないのです。イエス・キリストを絶対に信じないという思想に基づいて文明が造られているのです。
ユダヤ主義が白人文明を造っているのです。これがキリスト教の土台になっているのです。そこでキリスト教は間違っていると言わなければならないのです。キリスト教の間違い、文明の間違いを私が述べていますけれど、これは私の思想ではありません。聖書に書いてあることを受け売りしているだけです。
聖書を正しく読んでいきますと、文明の間違い、キリスト教の間違いがよく分かるのです。
神
皆様の心臓が動いていることが神です。このことが分かれば皆様は死なないのです。この神を掴まえるためには、流れを掴まえたらいいのです。時間空間を流れさせているものが神です。
神は霊です。神や霊を皆様に教えるためには、肉という形を取らなければならないのです。霊なるものという形がないものを教えるためには、肉なる形を取らなければ教えられないのです。だから霊なるものを肉なる形で現わしているのです。
神が神となるために、天地創造した。これが空即是色ということです。
なぜ空が色になっているのか。神が神になるためです。
天ということが分からないのです。キリスト教の方は「天にまします我らの父よ」と祈っていますが、天はどこにあるのか。神は天に座っているのか。そうではないのです。
天そのものが神ということです。天ということが霊ということです。霊とは何か、新興宗教に霊友会とか、霊交会というのがありますが、この霊は巫女の口寄せの霊です。心霊科学の霊です。これは迷いの霊です。
霊には正数の霊と負数の霊があるのです。普通の霊はマイナスの霊です。これは摩訶不思議な霊で、いいかげんな霊です。
正しい霊というのは、合理性の根源になる霊です。例えば皆様の心臓が動いています。目が見えるということ、耳が聞こえることは、合理性の根源を意味するのです。これが正しい霊です。ここに超自然の力があるのです。これを科学的にまた、数学的に分析することはできませんけれど、皆様の目が見えることは事実です。
これは皆様の目が見えるのではなくて、太陽光線の反射によって、目の網膜に映っているのです。
大自然と人間の生理状態は、一つの原理によって働いているのです。だから私たちは大自然を見ることができるのです。この根源のことを霊というのです。これが根源の根本です。
神は、「我は有りて在るものなり」と言っています（出エジプト記３・14）。英語ではI am that I am. です。I am that I am. を正確に説明できるキリスト教の先生はいません。ユダヤ教にもいないのです。私にはこれが教えられているのです。
神が存在する。存在とは何であるか。これを聖書によって学ばなければいけないのです。
般若心経と聖書は全然違ったものです。全然違ったジャンルのものを一つにして学ぶことができるのは、初めてのことです。西洋文化の真髄と、東洋文化の真髄を一つにまとめて提示するというのは、宗教ではできないのです。
存在の根本とは何か。未来と現在との関係です。時間はどこから来るのか。未来から時間が流れてきているのです。
未来とは未知の世界です。未知の世界から現在の世界へ流れている。時間はどこから流れてきているのか。存在の原理から流れてきているのです。
宇宙の霊によって人間の目が開かれなければ、本当のことが分からないのです。本当の天の霊によって皆様の目が開かれますと、見えない世界が見えてくるのです。そうすると死なない命が分かるのです。
般若心経は彼岸へ入る入口の説明をしているのです。しかし彼岸の実体はどこにも書いていません。般若心経に究竟涅槃という言葉がありますが、これが般若心経の目的です。
現世に生きているどろどろの思いを捨ててしまうのです。現世に生きていた気持ちを捨ててしまったら涅槃が分かるのです。
人間の勉強はだめです。人間の勉強は宗教でも学問でも、皆五蘊ばかりです。人間はこれで困っているのです。だから今までの自分の考え、自分の立場を捨ててしまって考えるのです。
人間の今までの経験が人間を迷わしているのです。自分が信じている宗教、勉強した学問が皆様の因縁になっているのです。悪因縁になっているのです。悪因縁が皆様を地獄へ引っぱっていくのです。
今まで生きてきたということが嘘です。五十歳の方はこの世に五十年生きてきたと思っています。七十歳の方は七十年この世に生きてきたと思っていますが、それが嘘なのです。
今までの人生経験は自分という人間の経験です。ところが皆様は自分で生まれたいと思ったことはないでしょう。従って今皆様が生きておいでになる命は、皆様方自身のものとは違います。これをよく考えて頂きたいのです。
生まれたいと思って生まれたのなら自分の命です。命は自分のものです。生まれたいと思わないのに勝手に生まれたのです。従って皆様が生まれたというのは天の命によるのか、天の意志によるかです。人間の理屈では考えられない原理に基づいて生まれてきたのです。
ですから、命は皆様のものではないに決まっているのです。ところが命を自分のもののように思ってしまっている。これが第一の迷いです。
人間の常識、知識が皆様を迷しているのです。人間の文明は五蘊の塊です。五蘊の塊とは間違いの塊ということです。
宗教は死んでしまった人間が造ったものです。死んでしまった人間が言い残したことが経文になっているのです。学問になっているのです。常識になっているのです。
皆様の常識知識は、全部死んでしまった人間が造ったものです。これが皆様の中に流れ込んでいるのです。これを信じていると必ず死んでしまうことになるのです。
死んでしまった人間の勉強をしないで、死を破った人間を勉強したらいいのです。簡単なことです。死んでしまった人間の言ったことを勉強しないで、死を乗り越えた人間の言うことを勉強して頂きたいのです。
死を乗り越えたのはイエスしかいないのです。他に死を乗り越えた人間がいるでしょうか。全くいません。釈尊も死んでしまったのです。ソクラテスも、孔子も、日蓮も弘法大師も皆死んでしまったのです。
死んでしまった人間は負けた人間です。死を破った人間が勝ったのです。死に勝ったことが罪に勝ったことです。人間の因縁に勝ったのです。
死に勝ったイエスを勉強したら、皆様も死に勝てるに決まっているのです。難しくないのです。ただ考え違いをやめたらいいのです。五蘊皆空だけでいいのです。人間の考えは皆間違っている。人間の常識や知識を乗り越えてしまうことだけをしたらいのです。そうすると死なない命は必ず見つかるのです。
自分が生まれたいと思わないのに生まれてきた。この命を自分のものと思い込んでいる。これが間違っているのです。
命は天から預けられているものです。この命を皆様は自分のものだと思い込むのは、背任横領になるのです。
会社の社長が株主から預かったお金を勝手に使ったら背任横領罪になるのです。今皆様は同じことをしているのです。預けられた命を自分のものだと思い込んでいるのです。自分がどう生きようと自分の勝手だ。いちいち口出ししないでほしいと思っているのです。
神を信じなさいとか仏を信じなさいとかを言わないでほしいというのです。こういう横車はこの世に生きている間は通用します。「人盛んなる時は天に勝つ」と言います。人間が理屈を言えば神は黙って聞いています。だからこの世を去ってから、高い税金を取られることになるのです。地獄の刑罰という税金が待っているのです。
今生きている命を素直にご覧になる。これだけでいいのです。女の人は男性に知らず知らずに従順になるようにできているのですが、男性は危ないです。結婚すると旦那様になってしまうからです。これが悪いのです。
ご主人は奥さんの服従のしかたをよく勉強するのです。奥さんは男が勉強するために与えられているのです。男が我を捨てて、女の姿を勉強するのです。そうすると従順を学ぶことができるのです。
男は頭が良いのですから、頭が良いところへ従順が加わったら鬼に金棒です。これが一切空ということです。何でもないことです。やろうとしたら誰でもできるのです。
神を信じなさいとか仏を信じなさいと言っていません。従順になれば、自分の心臓が動いていることが神であることが、自然に分かってくるのです。
従順になれば宇宙の指導霊が働くのです。宇宙には太陽を太陽として働かせている力があるのです。これが神のペルソナです。
皆様の人格はパーソナリティと言いますが、パーソナリティは神のペルソナからきているのです。皆様の人格性は神の神格性の現われです。ですから自分で自分の人格を拝んで頂きたいのです。
家庭の問題、仕事の問題は何とかしようと思ったら何とかできるのです。自分の命のことを、仕事が忙しいとか、家庭が忙しいと言っていたら命の目を開くことはできません。自分の霊魂のことは仕事よりも、家庭よりももっと大切なことです。
「生を明らめ死を明きらむるは、仏家一大事の因縁なり。生死の中に仏あれば生死なし。但生死即ち涅槃と心得て、生死として厭うべきもなく、涅槃として欣うべきもなし。是時初めて生死を離るる分あり」と道元は書いています。
魂ということをはっきり勉強することは、人間の一大事の因縁なのです。何を差し置いても魂の勉強をして頂きたいと思うのです。
彼岸へ渡る
彼岸へ渡るということが般若心経の目的です。皆様が冷静な気持ちで彼岸へ渡るという言葉を、一日に三、四回称えることを日課としたら、皆様の考えは非常に違ってくるのではないかと思います。
皆様は今現世に生きておいでになります。現世はこちらの岸であって、此岸です。此岸に生きている者が彼岸へ渡ることを考えるのです。これは分かりやすく言いますと、今生きている命の他にもう一つの命があるという意味です。
今皆様が生きている命は死ぬに決まっている命です。この命を自分の命だと思い込んでいますと、必ず死ななければならないことになるのです。
死ぬということはただ現世を去るということだけではないのです。現世を去るということだけのことなら、何でもないことです。大したことではないのです。
いわゆるご永眠するだけのことです。眠るだけのことですから、昼寝の長いものだとお考えになったらいいのです。
ところが死んだ後には復活があるのです。復活ということは甦るということです。復活には正しい意味での復活と、間違った意味での復活、いわゆる邪な意味での復活があるのです。正当な復活と邪道な復活とがあるのです。
正当な復活は聖書に従えば第一の復活と言っています。邪道の復活は第二の復活になるのです。第二の復活という言葉は聖書にはありませんが、そういうことになるのです。
第二の復活は、復活することが永遠の死を意味するのです。永遠の死というものはただの死ではないのです。
第一の死はご永眠するだけのことです。第二の死は言語に絶するような恐ろしい苦難の状態になるのです。
現在皆様は生命意識を持っていらっしゃいます。生命意識を持っていらっしゃるということは、生きているということを知っているということです。ところが生きているということはどうしていることか分からないのです。
人間は現在食べたいものを食べ、飲みたいものを飲み、着たいものを着ています。したいことをしているのです。欲望生活を実行しているのです。これには甚大な責任がついて回っているのです。したいことをしてもいいでしょう。ところがその責任を果たしているかどうかということです。
基本的人権という言葉はユダヤ人が造った言葉ですが、アメリカの占領政策の結果、日本の憲法に割り込んできたのです。これは国連憲章の中の一句です。
国連憲章の中の一句を日本の憲法の中に入れているのです。憲法に基本的人権という文句を入れているのは日本だけです。
基本的とはどういう意味なのか。基本的というのは人間存在の基本原理を指すものでなければならないのです。ところが日本の憲法では、ただ現世に生きていく権利だけに、基本的という過大な文句を使っているのです。
日本の憲法を造った人は熟語の意味を知らなかったのではないかと思われるのです。基本的人権と言いたければ言ってもいいでしょう。基本的人権というのは現世に生きている間だけの権利ではないのです。人間存在の基本論に係わる権利ですから、これは彼岸、永遠に通じる人権でなければならないのです。
彼岸は今生きている命ではないもう一つの命であるという意味ですが、これに通じるような人権を意識するなら、これは立派なものです。そうしたら日本の憲法は世界一と言えるでしょう。
日本の政治家はそういうことを考えないで、ただ現世で生活するということ、例えば就職の権利とか結婚の権利というようなありふれた生活権に対して基本的人権という言葉を用いているのです。
人権と言いたければ言ってもいいでしょう。これは人間が造った思想であって、もし人権というとしたら、義務、責任を当然考えなければならないのです。
権利を考えて義務を考えない。権利を一方的に押しつけて、義務、責任をはっきり認識させようとしないところに、日本の教育の荒廃の原因があるのです。
正しい認識のない子供に、権利ばかりを教えますと、先生を先こうと言ってもいい意識になってしまうのです。おやじをおじんと言う意識になってしまうのです。こんなことが文部科学省になぜ分からないかと言いたいのです。
権利は義務と同時に説くべきものです。これは分かりきったことです。一体日教組の委員長は何を考えているのでしょうか。権利を考えるなら義務を同時に考えなければならないのは、当たり前のことです。
生きている権利があると思うなら、生きていることに対する本質的責任を自覚することは当たり前です。親に対しては子供としての責任を自覚すること、教師に対しては生徒としての責任を自覚することは当然のことです。
こういうことを考えないで、先生は人権、人権と言って生徒を煽て上げているのです。その結果、校内暴力、家庭内暴力が頻発しているのです。こういうことが現代教育の大欠点です。
現代学は人間の肉性です。肉性というのは人間の欠陥性を意味しているのです。例えば物忘れをするとか、言い忘れをするとか、考え違いをします。何かの約束を忘れてしまうことは、肉体を持っている人間の必然的な欠点です。これが肉性です。
これをごまかすために、学問が邪に用いられているのです。
人間は不当な権利があるように考えさせられているのです。こういう思想がユダヤ主義です。
人間が肉体で生きているということが、本来の目的ではありません。皆様は命を知っておいでになるのです。生命意識があるからです。生命意識があるということは、生命の本質を究明しなければならない責任があるのです。
生命の本質を究明すれば、死なない命ははっきり分かるのです。私はそれがはっきり分かっているからお話ししているのです。
死なない命はあるに決まっているのです。例えば皆様が肉体的に生きていらっしゃるということは、形があるということの上に立って生活を考えておいでになるのです。唯物主義とか即物主義という生き方、物があるという立場で生きておいでになるのです。
般若心経の思想は、物があるという立場で生きていることに、真っ向から反対しているのです。色即是空という有名な一句はこれを意味しているのです。
ところが般若心経は色不異空、空不異色、色即是空、空即是色とありますから、色が本当なのか、空が本当なのか、よく分からない面があるのです。これが般若心経の欠点と言える所かもしれないのです。
皆様が色即是空という単純な考えになりさえすればいいのです。死ぬに決まっている命を自分の命だと思い込んでいることは、命に対する根本的な認識不足の結果によるのです。その結果死んでからどうなるかという問題があるのです。
死んだらどうなるのか
人間は死んでからという重大な問題があるのです。死んでしまえばそれまでという考えは、命を真面目に考えない人が考える理屈であって、この理屈は全く根拠がない考え方になるのです。
彼岸というのは今生きている命ではない、もう一つの命があることを示しているのです。これは死んでからの命ということにもなりますけれど、生きている間に彼岸へ移ることが大切です。
死んでから天国へ行くとか、死んでから仏国浄土へ行くという宗教の考えは、完全に間違っているのです。
宗教はすべて学問と同じでありまして、現世に生きている間だけしか通用しないのです。政治学も経済学も、科学も、現世で生活している間しか通用しません。宗教もそのとおりです。
宗教は人間の考えで造り上げたものでありまして、寺があるとか、教会があるという条件で生きておいでになる間に通用するのです。寺に出たり入ったりしている間は仏教は通用しますけれど、この世を去ってしまいますと、仏教の言い分は一切通用しません。通用するはずがないのです。
仏教は現世での教えです。キリスト教もそのとおりです。天理教もそのとおりです。宗教は現世での知恵にすぎないのです。現世の知恵が死んでからも通用することは考えられないのです。
そこで皆様に必要なことは、宗教ではない命です。命とは何か。今生きているのは何であるかを真面目に考えることです。
最近のように交通事情が非常に危険になりますと、いつ死ぬか分からないのです。世間の人は交通事故にあうかもしれないけれど、自分は大丈夫だろうという安心感みたいなものがあるのです。
江戸時代の蜀山人に、「死ぬるとは 人のことだと思うたに おれが死ぬとは これはたまらん」という狂歌があります。皆様は風前の灯火というような命にさらされているのです。そこで仕事のことよりも、家庭のことよりも、まず落ち着いて命のことを考えて頂きたいのです。
私は数十人や数百人の日本人のために勉強会をしているのではありません。世界全体の人々に向かって発言しているのです。世界の文明の根源が間違っているのです。これを間違えているのは若干のユダヤ人です。世界のユダヤ人に向かって話したいと思っているのです。ユダヤ人全体が間違えているのではないのです。
ユダヤ人の中のリーダーシップを取っているごくわずかの人々が間違えている。この人々が全世界を毒しているのです。原子爆弾を発明したのはユダヤ人学者です。原爆に反対する人に賞を与えている人もユダヤ人です。これがノーベル賞です。これはユダヤ人のお遊びみたいなものです。これに日本人は振り回されているのです。こういうことをもう少し冷静に考えて頂きたいのです。
人間は何のために生きているのでしょうか。人間の文明が始まってから六千年になりますが、未だに人間が何のために生きているのかということに対して、明確な答えが出ていないのです。
日本が始まってから千四、五百年になりますが、日本人の中で人間が何のために生きているのかということを、明確に断言した人がいるのでしょうか。これに近いことを言った人はいるでしょう。道元とか親鸞上人はこれに近いことを言ってはいます。
道元禅師は仏ということを言っていますけれど、地球全体の真理であるという証明がないのです。すべての人間に対する鉄則であるという保証がないのです。道元禅師の悟りはすばらしいものであるとは言えるでしょうけれど、客観的な意味での真実性がないのです。これが日本の宗教指導者の決定的な弱点です。
イエスは死を破ったのです。死を乗り越えたのです。イエスが死を乗り越えたということは、歴史的事実です。明々白々な客観的な実体です。
人間は即に死ななくなっているのです。人間が死ななくなっているという原則が、歴史の基本になってから既に２０１４年にもなるのです。未だに日本人はこのことが分かっていないのです。死なねばならないと考え込んでいるのです。これはどういうことでしょうか。日本人は世界的に物を考えることができないのです。
日本ができたのはわずか千四、五百年前です。しかし世界の文明が始まったのは六千年も前のことであって、千四、五百年の頭では六千年の歴史の流れを知ることは、難しいかもしれません。しかしスケールを大きくして考えて頂いたら分かるはずです。
西暦紀元２０１４年ということはどういうことなのか。日本の大新聞には２０１４年と書いているのですが、新聞社の人々がこの意味が分かっていないのです。
２０１４年ということは知っていますけれど、認めてはいないのです。認めてはいても信じてはいないのです。二重、三重の間違いをしているために、自分自身の命のことがさっぱり分かっていないのです。そこで私は霊魂のボランティアとして、こういうことを呼びかけているのです。
皆様の命に対する認識がとてもあやふやであることを、まず提言したいのです。これに対するご質問がありましたら、どんどんして頂きたいと思っているのです。
固有名詞の自分を問題にしないで、生きているという事実、実体を問題にして頂きたいのです。生きているという事実が魂ですから、魂が救われたらいいのです。
人間が救われる必要はないのです。人間を離れて、魂であるご自分を自覚して頂くということが必要であるのです。
現在の人間にとって魂ということはなかなか分からないことです。ある映画俳優が数千円のお金をとって魂について考えるという講演会を開いているのです。たくさんの人が聴きに行くそうですが、全くばかなことをしているのです。
死んでから人間はどうなるかということも話しているようですが、魂についての話しではなくて、想念について話しているのです。人間の想念、または思念について、あるいは怨念について話しているのです。人間の想念、怨念、思念のようなものを魂だと考えているのです。命が分からない人は、こういう間違った考えをしているのです。これは心霊科学の産物です。
いわゆる巫女の口寄せ、霊媒という感覚です。魂はそんなものではありません。
魂とは何か
仏教には魂という言葉がないのです。大乗仏教の膨大な経典の中に魂という字がないのです。日蓮宗の人々は魂という言葉をお使いになりますけれど、はっきりした定義が分かっていないのです。
なぜ仏教で魂が分からないのかと言いますと、生ける誠の神がないからです。仏教は無神論ですから、地球がどうして造られたかということを明瞭に説明ができないのです。
地球がどうして造られたのかが分からない。従って人間がなぜ発生したのかということも分からないのです。
人間がどうして地球から発生したのか。何のために人間が生きているのか。こういうことが仏教では分からないのです。さし当たり現世に生きている人間の宗教心、道徳心、社会通念というものに基づいて、魂とはたぶんこんなものだろうというような判断によって、霊魂と言っているのです。
これは正確な捉え方ではありません。魂とは何かと言いますと、皆様の目が見えることです。耳が聞こえることです。手で触って分かることです。
生きていること、いわゆるザ・リビング（the livinng）が魂です。生きているということ、五官が働いて、見たり、聞いたり、手で触ったりしていることが魂の実質、実体です。これは命そのものの本体でありまして、魂がはっきり救われる必要があるのです。
目で見ているということが救われるのです。目で何を見ているのか。耳で何を聞いているのか。目で見ていることが命です。命の言(ことば)です。耳で聞いていることが命の言です。
皆様はご自分の魂によって、五官の働きによって現実に正確に神と交わっているのです。お天道さんの命と皆様の魂とはいつでも交通しているのです。
今の人間には神と交わっているということが全然分からないのです。だから命は自分のものだと考えるのです。自分が生きていると考えるのです。従って魂が分からないのです。
日蓮上人は日本人としては偉大な人物であると言えるかもしれませんが、日蓮上人は聖書を知らなかったのです。イエスが死を破ったと言う事実を、日蓮上人は知らなかったのです。その時の政治状態によってそうなっていたのですから、これは日蓮の責任ではなかったかも知れないと言えるのです。
しかし現在の皆様は全世界が一つの国のような条件で生きておいでになるのです。テレビでもラジオでも、ドイツのこともアメリカのことも、世界中の情報を伝えているのです。私は世界一周旅行を二回して、多くの国を見聞し、多くの人と話をしてきました。世界が一つの国のようであることをつくづくと感じたのです。
全世界が一つであるという時代に生きておいでになる皆様の魂と、日蓮上人が生きていた時代の魂とでは、条件が全然違うということをお考え頂きたいのです。
私は日蓮上人が良いとか悪いとかいうのではありません。日本人の個性としては立派なものであると思いますけれど、地球全体に及ぶ思想ではなかったということです。
地球に命は一つしかありません。これが原理です。本当の人間と言える人は一人しかいないのです。このことが魂の原理に従って厳しくしぼられますと、イエスの復活が皆様の復活になるのです。
イエスが復活したということが、皆様自身が死ななくなったことの歴史的証明です。これは日本人には分かりにくいことですけれど、本当のことです。事実です。日蓮上人の思想は教えですが、事実ではありません。ここが違うのです。
宗教が良いとか悪いとか言うのではない。本当の命はただ一つしかないということを申し上げたいのです。
皆様が目で見えることは、世界中の人間の目が見えるのと同じことです。砂糖をなめたら世界中の人が甘いと思うに決まっているのです。
白人と黒人とが結婚できるのです。そのように命は一つしかありません。政治や経済は各国で違いますけれど、命は一つという観点からすれば、世界は一つなのです。
イエスが復活したということによって、皆様から死が消えているのです。これは宗教でもありませんし、教えでもない。歴史の実体です。このことをよくご承知頂きたいのです。
仏教には魂はありません。だから魂のことをよく知りたいと思う方は、聖書を勉強するしかないのです。キリスト教の聖書はだめです。キリスト教ではない聖書を読んで頂きたいのです。
今皆様は一メートル何センチの身長があり、何十キロの体重を持っています。何のためにいるのか分からずに、ぼやっとして生きていると、自分自身の存在に対して誠に申し訳ないことになるのだと思って頂きたいのです。
皆様には人格があり、堂々たる魂がありながら、何のために生きているのか分からないのです。仏教ではそれぞれの宗派に従って、日蓮宗は日蓮宗のように、真宗は真宗のように、また禅宗は禅宗のようにそれぞれの立場から人間は何のために生きているかについての理屈は言いますけれど、これは宗派、教派の思想であって、全世界に及ぶ思想ではありません。
日本には明けの明星を見たという釈尊の悟りが正確に伝わっていないのです。明けの明星とは何のことかさっぱり分からないのです。このことについてはっきり教えることができるお坊さんや宗教学者が日本には一人もいないのです。世界にもいないのです。
釈尊が明けの明星を見て悟ったということ、明けの明星という驚くべき真理が、新約聖書の原点に重大な影響を与えているのです。このことが全世界の宗教家、学者に全く分かっていないのです。仏教もキリスト教も、全く分かっていないのです。
仏教と仏法とは違います。例えば日蓮上人の悟り、信仰が日蓮宗になり、親鸞の悟り、信仰が浄土真宗になっている。道元禅師の悟り、信仰が曹洞宗になっている。ご開山の教えが仏教になっているのですが、釈尊はご開山ではないのです。
釈尊は全人類を代表して明けの明星を見たのです。いくら小さく見ても、東洋人を代表して見たと言えるのです。
明けの明星を釈尊が見た。しかも東洋人が見たのです。東洋人が明けの明星を見たということが、世界の将来に対して、永遠の生命について驚くべき提案を与えたことになるのです。
このことは世界中の学者も宗教家も、誰も知らないのです。一切の宗教観念を廃して人間の理屈や意見に関係なく、ただ素直になって私たちがただ生きているという事実と、大自然が存在するということと、聖書の三つを一つにして見たら分かるのです。誰の説も、誰の意見もいらないのです。そういうものは信じる値打ちがないからです。
釈尊もそうでした。誰の意見も聞かなかったのです。ただ明けの明星を見ただけです。これが全人類の永遠の生命への入口になっているのです。驚くべきことです。
「我は輝く明けの明星である」と復活したイエスが言っているのです（ヨハネの黙示録22・16）。このことをある高僧に話したらびっくりしたのです。聖書にそんなことが書いてあるのですかと驚いていたのです。
仏教の専門家がこういうことを知らないのです。仏法の根源が分かっていないのです。仏教の専門家は聖書を真剣に勉強すべきなのです。
コップは水や飲み物を入れるものだということが分かっているから、存在する値打ちがあるのです。もし、自分が何のために存在するのかが分からなかったら、存在する値打ちがあるのでしょうか。何のためにコップがあるのか分からないものなら、邪魔になるだけですからほかしてしまうでしょう。
皆様は何のために生きているのでしょうか。イエスが死を破ったというのは、全世界の人にどういう影響を与えたのかということを勉強するために生きているのです。
（内容は梶原和義先生の著書からの引用）